DNAの解析によって、これまでの形態の類似性による分類とは異なる結果が導かれた例はいろいろあります。 そのいくつかをここで紹介しましょう。
(注)DNAの比較は、塩基配列のアラインメントによる比較だけではありません。たとえば、 SINEとよばれる300塩基対くらいの長さの特徴的な塩基配列がDNAの中に多数存在するのです が、その位置を比較することで、分岐の様子を推定することもできます。
(1) ブタとカバ
従来の分類ではカバとブタは非常に近縁であり、クジラとはどちらも同じくらいに遠縁であると
考えられて いました。しかし、カバはクジラと近縁であり、ブタとはかなり遠縁であることが分かりました。
http://www.evolution.bio.titech.ac.jp/f_research/phylo/cetartiodactyla.html
(2)コウモリとネズミ コウモリとネズミは近縁と考えられていましたが、コウモリはウマ、イヌ、ネコに近く、ネズミはヒト、サルなどに近いことが分かりました。⇒ 第1回 はじめに 付録 コウモリとネズミ
(3) コンドルとワシ
コンドルとワシは、その見た目や腐肉食という食性の類似性などから近縁と考えられていたが、DNAの解析の結果、以外にもコウノトリとより近縁であること がわかった。
(4) ヒトに一番近い類人猿は?