タンパク質の形を通して学ぶ「遺伝情報とは」

紫外線対策

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 夏の小麦色の肌は80年代まで健康の象徴でした。ところが、紫外線によるDNAの損傷を危惧し、紫外線を過度に浴びることによる日焼けに対して警告が発せられるようにな ると、様相は一転します。本来、メラニン色素が盛んに合成され、小麦色の肌となるのは、われわれの体が行う紫外線対策であり、適度に紫外線を浴びることは、 ビタミンD欠乏症を発症させない意味でも重要なのですが、いつの間にか、メラニン色素がシミ・ソバカスの原因となるため、その対策を取りなさいという警告と曲 解され、日焼けしないことが紫外線対策だと思われるようになったのです。オーストラリアの例に見るように、白い肌は、紫外線対策という面からはまったく逆効果 な のです。

    
日焼けに関わる化粧品のポスターは、1990年ころを境に大きく変わった


 かつて、オゾン層破壊が進んでいることを懸念し、紫外線による被害を警告していたある研究者 の、以下のような述懐をみつけました。

国立環境j研究所ホームページより https://www.nies.go.jp/kanko /kankyogi/79/04-09.html
「紫外線モニタリングデータを活用し、適切な日光浴で健康に」
1980年代半ばに南極でオゾンホールが発見されると、 オゾン層の破壊にともない増加した有害な紫外線による健康影響が懸念されるようになりました。以来、紫外線は有害なものという考えが広まり、いまでは紫外線や 日光浴を避ける人が増えています。(中略)私は大気中のオゾン層の破壊について、とくにフロンガスがオゾン層の破壊につながることを中心に研究してきました。 ビタミンD不足の人が増えていることを知って、これまで、紫外線が危険なことばかり言い過ぎたのではないかと気が付いたのです。