タンパク質の形を通して学ぶ「遺伝情報とは」

抗体とサスマタ

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 新型コロナの広がりの中、Y字型の抗体の図をテレビで見る機会が増え、その形が皆さんにもなじみ深いものになったのではないでしょうか。しかし、この講義の流れからは、 どうも気になることがあり ます。図23.1で見るように、抗体の結合部位はY字の先端部分(2つある)です。この部分が相手分子(抗原)と「鍵と鍵穴」の関係で結合します。しかし、図 1のように、あたかも犯人確保のとき使うサスマタのような感じで抗原を捕らえるという図が結構多いのです。「鍵と鍵穴」の関係の重要 性を強調してきた私には、どうも違和感が拭えません。ちなみに、図2に実験データに基づいてCGで描いたウイルスと抗体の結合の様子を示しました。

図1 鍵と鍵穴の視点からは間違っている抗体の図(左側3点)とサスマタ(右端)

図2 実験データに基づいてCGで描いたウイルスと抗体の結合の様子
抗体の橙色と黄色はそれぞれH鎖、L鎖を表しています