タンパク質の形を通して学ぶ「遺伝情報とは」

A型糖転移酵素の立体構造

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 下の図はA型糖転移酵素の立体構造です。ただし、一部立体構造が確定できない領域があり、その部分は描かれていません。

 左と中央下は基質が結合していない状態、右は基質(緑色の分子)が結合した状態の立体構造です。左の図でははっきりと鍵穴にあたる窪み(活性部位)が、そ して右の図ではその部位に基質が結合しているのがわかります。中央下の図では、アミノ酸がつながった紐状分子としてのタンパク質の様相がわかるように描かれた もので、複雑に紐状分子が折りたたまれているのがわかるかと思います。

 A型とB型では4カ所のアミノ酸が異なっていました(アミノ酸残基番号で176、235、266、268)が、それらがすべて活性部位付近に位置している ことがわかります。アミノ酸配列上で離れていても、こうして折れたたまれることで空間的に近接することがあるのです。また、タンパク質の機能は活性部位が主た る場所ですので、その領域を構成するアミノ酸に変異が起こると機能に変化が起こる(この場合は結合する基質分子が異なる)ことがこの図から納得いくのではない でしょうか。