圧力を高くすれば温度が上がり、圧力を下げれば温度が下がる、という気体の性質を利用して、低温側から高温側へと熱を移動させることができます。そのためには、コ ンプレッサー(圧縮機)を動かす電力が必要ですが、その電力で直接熱を発生させるよりも、より多くの熱を移動させることができます。エコキュートはその仕組み を利用して、空気の熱をお湯を沸かすのに利用しています。
(注)「エコキュート」の名称は、日本の電力会社・給湯機メーカーが使用している愛称で関西電力の 登録商標です。
下の図では、気体を急激に膨張させて圧力を下げることで冷媒の温度を低下させた後(C)、その冷媒を空気の熱で温め(@)、さらにコンプレッサーで圧縮して温度を上げ (A)、それを水と接触させることで水の温度上げ ています(B)。そして、再び冷媒の圧力を急激に下げ温度を下げるステップCへと進みます。こうして空気の熱を利用し、節電しながら水の温度を上げることができます。 なお、冷媒として、かつてはオゾン層破壊を引き起こす「フロン」が使われていましたが、エコキュートでは「二酸化炭素」を冷媒として使用しています。自然界に 存在する二酸化炭素は、冷媒としての効率が優れているだけでなく、オゾン層を破壊することもないため、地球環境にとってやさしいというメリットがあります。